電話でのBIGPRは、対面でない分、もれなく実施することが大事だ。対面でない分、相手の反応もわかりづらい。相手が理解しているものと思い込んだり、電話口での明るい口調や柔らかな口調に甘えて、BIGPRのいずれかをもらしてしまうと、実は聞き手はその情報がないことが気になって先に進めなかったり、表面的な対応で終始してしまうということがよくある。
電話でのコミュニケーションは、顔の表情や身振り手振りを駆使できずに、口頭表現だけが頼りとなる。その分、訓練すべき分解スキルは明確で、反復演習すれば上達が期待できる領域なのだ。
加えて、電話でのコミュニケーションは、その後の訪問や、会議など、電話以外のコミュニケーション機会との組み合わせで実施されることが多い。その分、どの情報を、どの段階で伝達するかということが重要となるので、プロセスの分解によっても効果を高めることができるのだ。
※「BIGPRのスキル」は、山口博著『
チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月。ビジネス書ランキング:2016年12月丸善名古屋本店1位、紀伊國屋書店大手町ビル店1位、丸善丸の内本店3位、2017年1月八重洲ブックセンター4位)で、セルフトレーニングできます。
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第35回】
<文/山口博>
【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。株式会社リブ・コンサルティング 組織開発コンサルティング事業部長。さまざまな企業の人材育成・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、リブ/コンサルティング組織開発コンサルティング事業部長。。近著に『
チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)がある
※社名や個人名は全て仮名です。本稿は、個人の見解であり、特定の企業や団体、政党の見解ではありません。