アメリカ・ロシア・中国が武器輸出で南米市場の覇権を争う

ブラジル現大統領は元CIA協力者!?

 一方のブラジルはアルゼンチンと同じくルラとルセフの二人の労働者党政権が13年間続き、アルゼンチンと同様に反米主義の政治が展開されていた。ルセフ大統領が極度の景気低迷と汚職で解任されると、副大統領のテメルが大統領に就任した。  BRICSに加盟しているブラジルであるが、テメルは外交を180度転換。欧米寄りの外交が復活するのである。  テメルは昔CIAに協力していた人物だというのはウィキリークスなどで暴露されている。テメルが大統領に就任した際にもブラジルの新政府高官が米国政府の南米管轄部の高官を訪問したことも明らかになっている。  そして、今年11月に予定されている「アマゾン・ログ2017」と呼ばれているアマゾン地帯の軍事演習にテメル大統領は米国の参加を招致したのである。この演習にはコロンビアとペルーの軍隊も参加が予定されている。更に、南米の主要国そして南米防衛評議会のメンバーらもオブザーバーとして参加が予定されている。  軍事演習の場所はコロンビアとペルーとブラジルの3か国に国境が跨る地域で、その中心地タバティンガにブラジルは軍事基地を設けるとしている。  この地域は宇宙船に使用する超高張力鋼の生産に必要な元素ニオブが豊富な地域で、しかも、チタンやタングステンも豊富に埋蔵されている地域である。更に、ウラン、天然ガス、原油、金、ダイヤモンドなども存在している。  外部で懸念されているのは、米国が表向きテロや麻薬ルートの阻止という名目で、この地域に軍事基地を設けるのではないかということである。
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南米を舞台に三大国の覇権争い
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