ドンペリはもう古い? 歌舞伎町から高級ボトルが消えたワケ

歌舞伎町ホストクラブ

現在、歌舞伎町には200軒以上のホストクラブが営業している

 昨年、改定された中国の関税引き上げをきっかけに、突如終焉を迎えた中国人による爆買いバブル。しかしブームは去っても、歌舞伎町では今も品薄状態となっているものがあった。ホストクラブの高級ボトルだ。ホストクラブで飲む酒といえば、ドンペリやルイ13世、ロマネコンティ…といったシャンパンやブランデーなどの高級ボトルを思い浮かべる方も多いのではないだろうか。だが、最近その高級酒が姿を消しつつあるというのだ。なぜ、高級ボトルは歌舞伎町から姿を消したのであろうか。その理由に迫ってみた。

爆買いブームで消えた高級ボトル

「爆買いの時、高級ブランデーが中国人の富裕層にバカ売れしました」  そう話すのは、歌舞伎町のホストクラブに酒を卸し続けて10年になる酒屋のKさん。高級ブランデーとは、ルイ13世、リシャール、ジュビリーなどを指し、ホストクラブで飲むと60万~100万円はする代物だ。 「ホストがメディアに多く露出していた10年前の『ホストブーム』以後、高級ブランデーはホストクラブでよく売れていました。しかし最近はホストクラブが乱立し、さらに2年前の爆買いと重なって一気に品薄になりましたね。ちょうどその後、ブランデーとシャンパンが一斉値上げしたため、ホストクラブの価格相場も随分上がったのではないでしょうか」  定期的に行われる価格改定でリシャールやジュビリーだけでなく、ホストクラブの定番だったドンペリニヨン、ヴーヴクリコも1.5~2倍に値上げした。また、高級ワインの代表ともいえるロマネコンティも値上げし、今ではほとんど市場に出回らなくなったという。 「元々、数の少ないロマネコンティですが、一時のホストブームで売れすぎたため、ホスト=ロマネコンティのイメージが付いたのではないでしょうか。今、ホストクラブでワインを飲む人は少ないのでは。一時はシャトー・マルゴーなど、ボルドー5大シャトーワインの基準に満たないセカンドラベルが人気だったのですが、これも中国人の爆買いの影響で品薄になり今では2倍以上の価格に高騰しています」  ドンペリの売れ行きは、どう変わったのだろうか。 「今、ドンペリはほとんど出ません。バースデーのシャンパンタワー用としてたまにドンペリゴールドの注文は入りますが、一部の売れてるホストのみです。シャンパンタワーでしたら、モエやボランジェなどのヴィンテージシャンパンが人気です」
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東京五輪に向けた浄化作戦も一因
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