業者が見積もった当初の開業費用は約2000万円超。主要な設備として乾燥機8台、洗濯機3台、洗濯乾燥機3台が計上されていた。「コインランドリーの開業費用としては相場程度」(諏訪さん)だという。しかし、個人にとって2000万円は大金であり、初めての分野への投資は慎重になるべきところ。そこで、諏訪さんは成功率を高めるために一計を案じた。
「彼らが提出したシミュレーションは“甘い”と感じたので、自分でも独自にシミュレートしました。その結果を材料に本部と価格交渉をしたのです」
「さらに“堅い”事業展開を目指していた」という諏訪さんは、新品を導入する予定だった設備の一部を程度の良い中古と入れ替えることに。本部と粘り強い交渉を続けた結果、最終的に400万円のコストダウンを引き出した。
開業にあたり自己資金としてアパート売却で得た400万円を用意、残りは業者とリース契約を結んだ。コインランドリーオーナーのなかには、政策金融公庫からフルローンで全額融資を受けて開業する人もいる。自身の状況を踏まえたうえで、諏訪さんは他のオーナーの経営状況をこう推測する。
「開業費用をコストダウンして、ある程度自己資金を入れている私でも、赤字が続いて厳しい経営となっています。全額借り入れで開業したオーナーのなかには毎月の返済がかなり辛い状況の人もいるのではないでしょうか」