photo by はむぱん
2016年に厚生労働省は、就業規則の内容に関して、副業・兼業を「原則禁止」から「原則容認」へと変更するモデルに切り替えた。政府は今までサラリーマンの副業・兼業を、基本的に禁止する社内規則を推奨していたが、方針を180度転換したかたちだ。
もともと日本は憲法で「職業選択の自由」(第22条)を保証しているので、どんな職業に就こうが、副業・兼業をしようが、それで刑事罰をうけるようなことにはならない。ただ国の定めた法律とは関係なく、会社のルールを定めている“就業規則”で、副業・兼業を禁止しているところが多い。
自分の会社の就業規則を熟知しているサラリーマンは少ないだろう。ある程度の規模の会社であれば、総務か人事かあたりの書類棚にひっそりと置かれているはずである。ここに副業・兼業を原則として禁止するモデルが記されていたのだ。
しかし、政府が大胆にも方針を変換し、副業・兼業を原則禁止から原則容認に切り替えたことで、日産やロート製薬といった大企業も就業規則を改訂して、社員の副業・兼業を認める傾向が出てきた。
会社が副業を容認する方針に転換したのと同時に、現在はサラリーマンに限らず、誰でも副業・兼業を始めやすい環境にもなっている。それは「インターネットの活用」である。
特にクラウドソーシングサイトを使えば、面倒な求職活動などしなくてもいい。知っている人にとっては今更だが、クラウドソーシングというのは、企業が自社で働いてくれる人を募集しているのではない。発注者(主に企業)が仕事そのものを不特定多数の人間に発注するのである。
そんなクラウドソーシングサイトに掲載されている仕事の内容はアプリの開発や翻訳など、専門知識が要求される案件も少なくないが、特に専門知識も技術も必要のない案件も結構あったりする。