ベネズエラ反政府デモで飛び交う「糞便瓶」に込められた意味とは

国民の不満が爆発、反政府デモでは「糞便瓶」が飛び交う

 ベネズエラでは、政府への不満はピークに達し、反政府デモが日常的に行われています。平和的にデモをしようという状況下では既になく、デモは過激化。ここ最近でのデモ関連による死亡者は約40名に及びます。デモが長引けば、この数字はさらに増えるでしょう。  なお、フォックスニュースによれば、デモ隊はベネズエラでは新たな「兵器」を生み出しました。これは糞便に水を混ぜたものを瓶に入れ、投げつけるというものです。  その名もプープートフカクテル。  火炎瓶は英語でMolotov cocktail(モロトフカクテル)といいますが、今回は糞ということで、poopoo(プープー)というウンチの意味の幼児語を混ぜ、poopootov cocktail(プープートフカクテル)という名称がつけられています。  ただ、政府はこの糞便瓶の使用に対して激怒。フォックスニュースなどが報じたところ、当局のマリエリス・ヴァルデス監察官は、糞便瓶は化学兵器であり、使用は犯罪であり厳しい処罰対象となるとコメントしました。  糞を投げることは、病気にもつながるとされています。これは特にベネズエラではより深刻な問題となりえます。上記にあるように、エネズエラでは医療品が足らないという現実があるからです。  ただ、物資も少なくなっており、デモ隊もマドゥロ大統領退陣のためならなんでもするという状況下。「我々にはもう糞便しかない」という強い抗議の意味が込められているのです。  マドゥロ大統領が退陣するか、もしくは、デモが鎮圧されるまでは、今後も新たな過激「兵器」、もしくはさらなる過激デモが継続するとみていいでしょう。 <文/岡本泰輔> 【岡本泰輔】 マルチリンガル国際評論家、Lingo Style S.R.L.代表取締役、個人投資家。米国南カリフォルニア大学(USC)経済/数学学部卒業。ドイツ語を短期間で習得後、ドイツ大手ソフトウェア会社であるDATEVに入社。副CEOのアシスタント業務などを通じ、毎日、トップ営業としての努力など、経営者としての働き方を学ぶ。その後、アーンスト&ヤングにてファイナンシャルデューデリジェンス、M&A、企業価値評価等の業務に従事。日系企業のドイツ企業買収に主に関わる。短期間でルーマニア語を習得し、独立。語学コーチング、ルーマニアビジネスコンサルティング、海外向けブランディング、財務、デジタルマーケティング、ITアドバイスなど多方面で活動中。
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