5月病になりやすい人に現れる3つの徴候――1万人を面談した産業医が診断

からだの症状はわかりやすいが……

 一方、ストレスによる身体症状は分かりやすいと言えます。例えば、寝付けないとか夜中に目が覚めるなど睡眠に関するものが多いのですが、そのほかにも食欲がない、性欲がない、あるいは腹痛や腰痛、めまいや動悸などの症状として現れることもあります。  しかし、必ずしもすべてのからだの症状が“メンタルヘルス不調”によるものとはいえません。当然ながらこうした症状は、ストレスのせいでなくても、肉体的な不調のせいで起こることも多々あります。  例えば20代の人にこうした症状が出ればストレス反応である可能性は高いといえますが、50~60代の人が食欲不振とか腹痛などの症状を自覚したときは、まずは病院に行って検査を受けるべきでしょう。年相応に見合った検査をして、それでも異常が見つからなければ、消去法としてストレスが原因となります。

職場で気づきやすい症状

 最後に行動に出る症状ですが、これは周囲から一番わかりやすい、かつ、気づきやすい症状です。  ストレスによる行動の症状は「衝動買い」「お酒の量やタバコの量が増える」「過食や拒食」「登校拒否」「出社拒否」「ひきこもり」などが一般的です。  職場では、遅刻や早退、欠勤が増えたり、集中力が低下してミスを多発したり、仕事の結果を出すのに時間がかかるため時間外労働や休日出勤が増えたりします。いわゆる「ほうれんそう(報告、連絡、相談)」が減ったり、職場での仲間との会話が少なくなることもあります。女性だと眠れなくてやつれた顔を隠すため化粧が濃くなるとか、男性だと寝癖のついた髪や無精ヒゲのまま出社するなど身だしなみの変化もあります。  職場でも家庭でも、知っていればあなたの周囲の人を助けるきっかけになり得る点で、重要な症状です。  では実際に、そのような変化に気づいた場合、まわりの同僚はどのように対処すればいいのでしょうか?
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「いつもと違うけれど、どうしたの?」
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