観るだけじゃない! 子供から老人までが学ぶ地域密着プロレス・格闘技スクール

下町に世界王者がジムを開設

 続いて、名古屋市西区の明道町。地元の人間には菓子・玩具の問屋街と知られる下町だ。2017年3月、菓子店のとなりに総合格闘技・柔術が学べる「srArt JAPAN」がオープンした。  開設者は日沖発(ひおき はつ)。2002年総合格闘技・修斗でプロデビュー。修斗のみならずSRC(日本)、TKO(カナダ)で王座を獲得。2011年から2015年にかけてアメリカのUFCで活動した。名古屋生まれの「メジャーリーガー」だ。  ジムは清潔感に満ちている。白と緑を基調とし、マットやグローブはもちろん、バランスボールや更衣室のハンガーまでこの2色に統一されている。

かつて青果店だった場所を美しく改装

 日沖はトレーニングは真面目に取り組んでもらうが、決して強制はせず、楽しい空間で充実感を味わって欲しいと語る。会員の約3分の1が女性、最年少は小学5年生で、ダイエットや体力作り目的の入会者は少なくないそうだ。

日々の生活に溶け込むプロレス文化

 日沖以外にもパンクラスの第7代ライト級王者・久米鷹介や、海外経験豊かなスタッフが在籍しており、真剣に競技者を目指す者にも対応が可能だ。

日本のトップファイターのひとり、日沖発

 総合格闘技や柔術だけではなく、フィットネスジムとしても利用可能。そのため、時間帯によってはプロ選手がサンドバッグでハードな打撃練習をするかたわら、一般会員がエアロバイクやウェイトマシーンで汗を流す風景が見られる。  女性が参加しやすいヨガクラスやメディテーションワークショップなども開講されており、来る6月4日には、1995年にヒクソン・グレイシーと対戦した、日本総合格闘技の黎明期を支えたパイオニア的存在で、現在は柔術家の中井祐樹のセミナーが開催予定だ。  日本各地のいたるところにジム・スクールは存在し、体験入会ができることも少なくない。ぜひ一度のぞいてみてほしい。目的は運動不足解消でも、ストレス発散でも、単なる好奇心からでも何だって構わない。  日々の暮らしを豊かに彩る「文化」としてのプロレスや格闘技がそこにあるのだから。 <文・たこ焼きマシン> 【たこ焼きマシン】 名古屋在住のローカルプロレス探求家。ローカルプロレスファンサイトたこ焼きマシン.comスーパーたこ焼きマシン.comを運営。北海道から沖縄、台湾まで未知のプロレスを求め観戦に遠征する。ご当地プロレスラーガイドブック『ローカルプロレスラー図鑑』をクラウドファンディングで発行。オンラインストア元・小中学校教員、障害者職業能力開発校講師。夢は世界中すべてのご当地プロレスを観戦しての『ワールドローカルプロレスラー図鑑』制作。
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