チャイナリスクが過去最高に猛威を振るった、2016年度の企業倒産の実態

 海外向けの格安ツアーで有名だった「てるみくらぶ」が3月27日に東京地裁へ自己破産を申請した。ずさんな経営が招いた破綻は、海外渡航者の自主帰宅や、旅行代金が返金トラブルに発展するなど、大きな社会問題に発展したことは記憶に新しい。

photo by はむぱん

 そんななか、大手調査リサーチ会社の「帝国データバンク」は、同社が毎年度発表している「全国企業倒産集計」の2016年度報を4月10日に発表。中国の景気減速や中東情勢の緊迫、半島情勢など、波乱含みだった2016年度の企業の業績を早速、見てみたい。

8年連続で倒産件数は前年度を下回る

 2016年度の企業の倒産件数は8153件。2015年度の8408件と比べて3.0%減となり、8年連続で前年度を下回る結果となった。しかし、前年度比の減少幅で見ると、2014年度の10.5%、2015年度の7.0%と、2年連続で縮小するなど、予断は許さない状況のようだ。  背景には建設業や製造業など7業種中6業種で、地域別では関東や近畿など9地域中6地域で前年度を下回り、幅広い業種・地域で倒産件数が前年度比減少となった店が挙げられるという。  一方、負債総額では、2016年度が1兆9465億円1500万円と、2015年度の負債総額、1兆9063億8600万円を2.1%上回る結果となった。ただ、これは負債トップとなった「パナソニックプラズマディスプレイ」の倒産が5000億円と全体を押し上げたためである。  事実、各種金融支援などを背景に、大型党産(負債50億円以上)の件数は34件と、2000年度以降で最少を記録している。  また、昨年度は上場企業による倒産は年間で1社も発生しなかった。これは1990年度以来、なんと26年ぶりのことで、2015年度9月に第一中央汽船(民事再生法、東証1部)が倒産して以降、18か月連続で発生していない。
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今後の倒産動向は?
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