朴槿恵大統領が弾劾され、韓国では新たな大統領を選出するための選挙合戦が激しさを増すなか、「共に民主党」前代表の文在寅氏が他の候補を抑え予想レースを独走している。
ここにきて、「国民の党」前代表の安哲秀氏が急伸を見せ支持率2位に踊り出たが(韓国アールエヌサーチ社調べ)、文氏にしろ、安氏にしろ、韓国の政治が保守の流れから革新左派の流れへと大きく転換されることは間違いない。文氏が大統領になれば、2015年12月に結ばれた、日本と韓国間における慰安婦問題に関する合意を白紙化するとの噂も出ており、既に日本側から関係団体に拠出されている10億円の返還を叫ぶ支持者も少なくない。
日韓関係の改善に向け、政府や外交部が強制的に移設させることも出来るが、国民の反発が強く、大統領選の時期に黄教安大統領代行を中心とする現政権が「英断」を下すのは至極困難な状況。当初は日韓関係の「トゲ」であった「慰安婦像」が、韓国政局が大きく変動するなかで、一つの象徴となり、日韓外交においては大きな「障壁」となっている。
<文・安達 夕>