3月23日、参院予算委員会の証人喚問に出席した籠池氏は「とかげのしっぽ切りで、私だけに罪をかぶせないでほしい」と発言
「あいつが勝手にやってしまったことで……」逃げる上司
都合が悪くなると、権力を持っている者ほどすぐ逃げる。
森友学園の国有地払い下げ問題が顕在化する中で、いままで積み上げてきた関係をいきなり断ち切られ、まさにひとり「とかげのしっぽ切り」をされた形の籠池泰典・森友学園元理事長。そして、首相夫人付秘書だったT氏も同様、「しっぽ切り」に遭った被害者といえるだろう。
組織の不祥事や上の立場の責任を押しつけられ、見せしめにされたり、左遷させられたり、退職に追い込まれたりする。こうした無責任でひどいケースは、自民党や官庁以外の組織でもよく聞く話だ。
3月24日、「(引き続き、国有地売却について見守って参りたいというFAXの)当方とは誰か」という小池晃議員(共産)の質問に、管官房長官は「それは当然、Tさんです」と答弁
先日、私が一人で営むBarに一人の青年が訪ねてきた。仕事場で金銭トラブルが発生し、働き始めたばかりの彼がその犯人に仕立て上げられ、仕事を辞めさせられたのだという。
私自身もサラリーマン時代にそうした経験がある。上司からの指示に従って業務を遂行したところ、その上司の上司が「何やってんだ、ダメだ、元に戻せ」と指示してきた。
そこまではいいとしよう。驚いたのは、最初に私に指示した上司は「あいつが勝手にやってしまったことで……」と上司の上司に言ってのけた。責任を私になすりつけたのだ。
私は納得がいかなかった。それが大きなキッカケとなって、会社を辞める決心へと傾いていった。今の私がBarを営み、あの時の私と同じような悩みや悔しさを抱いて訪ねてくる方々に「組織に所属しない生き方」を勧めているのは、そうした理由があるからだ。