デュッセルドルフ駅に現れた斧男の恐怖。無理な難民受け入れが難民自身のメンタルにダメージか

「お前の国ではこんな事件は起きないだろ」

 今回の事件に関していえば、テロではありませんでしたが、容疑者はコソボ出身。この事実に、再びドイツ国内で世論が揺れています。現場にいた筆者も、こういったドイツ国内の不満というものを目の当たりにしました。  パニックが起こり、逃げ回った人々。その後、風貌とアクセントがいかにも外国人風の男が、いったいどうしたんだと周りに尋ねていました。  すると、同じく動揺していたあるドイツ人が皮肉めかしてこう返しました。 「知らない。お前の国ではこんな事件は起きないだろ」  犯行直後の話で、容疑者がコソボ出身ということがわかる前のことです。いかにドイツ世論が割れているかを見ることができます。メルケル首相は、揺れる世論への対応に再び迫られていると言えます。 <文/岡本泰輔> 【岡本泰輔】  マルチリンガル国際評論家、Lingo Style S.R.L.代表取締役、個人投資家。米国南カリフォルニア大学(USC)経済/数学学部卒業。ドイツ語を短期間で習得後、ドイツ大手ソフトウェア会社であるDATEVに入社。副CEOのアシスタント業務などを通じ、毎日、トップ営業としての努力など、経営者としての働き方を学ぶ。その後、アーンスト&ヤングにてファイナンシャルデューデリジェンス、M&A、企業価値評価等の業務に従事。日系企業のドイツ企業買収に主に関わる。短期間でルーマニア語を習得し、独立。語学コーチング、ルーマニアビジネスコンサルティング、海外向けブランディング、財務、デジタルマーケティング、ITアドバイスなど多方面で活動中。
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