トランプの娘婿にして右腕・クシュナーがロシアと接近していることの重大な意味とは

大統領補佐官を辞任したフリン氏が同席していたという事実

 まず、同席していた人物が、後に大統領補佐官を辞任することになるフリン氏だったという点は見逃せません。  フリン氏といえば、プーチン氏の横の席で晩餐会に出席したこともあるぐらい、 もともとロシアに近い人物。電話の傍受記録からも、大統領補佐官就任前からロシアと外交問題についての会話をしていたと分かっています。  このようなロシアに近い人物が同席していたことにより、20分という短い間でも、有意義な話が単刀直入にできた可能性が高いです。

12月というロシア制裁前の重要な時期

 そして、もう1つ強調しなければならない点。それは、この話し合いが12月に行われたという点。  思い出していただきたいのですが、オバマ大統領は12月29日に、ロシアへの制裁措置を発表しています。米国とロシアの関係が非常にぎくしゃくしている時期。ロシアへの制裁措置が発表される前の、重要なタイミングでの話し合いなわけです。  何が話し合われたか分からないだけに、様々な憶測を呼びます。

トランプに最も信頼されるクシュナーがロシアと直接交渉

 クシュナーというトランプ氏に最も信頼される人物が接触していたという事実。  そして、その話し合いの場に登場したのは、他ならぬクシュナー氏であったという点。この点は再度強調する必要があります。  クシュナー氏の重要性については以前取り上げました。トランプ大統領の娘婿であり、上級顧問であるクシュナー氏は、トランプ陣営の人事にも影響力を持つ影の実力者。  ハッキング問題、内政介入問題で大きく問題視されていたロシア。  非常にセンシティブな問題が混在している中、トランプファミリーメンバーとしてトランプ氏を一番よく知り、トランプ氏に信頼され、場合によってはトランプ氏の代弁さえできてしまう人物が、ロシアサイドと直接意見交換していたわけです。  クシュナー氏のロシアとの接触が、大きな意味合いを持つ理由は多くあるわけです。
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トランプ陣営は、今後より「慎重に」事実関係を説明していく必要がある
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