「虫食い野菜は農薬が少ない」は誤解だった――【農家の窓から】

肥料を抑えた野菜は虫食いが少なく、農薬の必要性も少ない

 EUでは飲料水を地下水に依存している国が多く、河川も複数の国が共有しています。そこで1991年に地表水および地下水が汚染・富栄養化されるのを削減・防止することを目的とした「農業起源の硝酸による汚染からの水系の保護に関する閣僚理事会指令」が制定されました。日本でも、法律で取り締るとまではいかなくても、まずは「多肥料の害」への認識が広まればと思います。  化学肥料であっても有機肥料であっても、チッソ過多になることは人間でいうと「メタボ」状態。また残留チッソ(硝酸態チッソ)の比率が高い野菜はブルーベイビー症候群(硝酸態チッソが赤血球の働きを阻害し、酸素が欠乏)を引き起こすなど、人体にもよくないとされています。  ちなみに肥料を抑えて虫を寄せつけない野菜はずっしりしていて、細胞ひとつひとつがギュっと締まった感じでエグミがないのが特徴。農薬の必要性も少なくなります。こういった野菜がどんどん広がってくれればと思います。 【文/西田栄喜】無農薬野菜・風来店主、通称「源さん」。“日本一小さい専業農家”として石川県能美市で少量多品種(年間50種類ほど)の野菜を育て、インターネットを中心に野菜セットを販売。2013年より無肥料栽培に挑戦中
1
2