日本ものづくりの最後の砦、デジタルカメラ。縮小傾向にある市場を支えるものとは?

苦境のデジタルカメラ市場の光明

 そんな逆境にあるデジタルカメラ市場だが、明るい話題がないわけでもない。アジアマーケットのなかで東南アジアが販売数量では前年比18%減となるも、金額で前年比6%増と伸びているのだ。  とりわけミラーレスカメラの人気がすさまじい。コンパクトカメラが前年比38%減、一眼レフカメラが8%減となるなか、ミラーレスカメラのみ販売数量で前年比45%増と大幅に成長しているのだ。構成比も、数量ベースで前年の16%から28%へ、金額ベースで27%から39%へと拡大した。  販売経路の拡大に加え、タイでのミラーレスカメラ需要の高まり、平均販売価格の上昇がその要因と同調査は見ている。

苦境下で成長を遂げるセグメント

 こうした市場状況について、GfKフォト部門のグローバルディレクター、リバト・ティッペンハウアー氏は次のように語る。 「明確な付加価値を打ち出せないカテゴリーが大きく影響を受けている一方で、ハイエンドモデルの需要は安定している。金額規模で市場の3分の1を占めるようになった1000USドル以上(約11万2000円)のセグメントは、ほぼ一定の販売推移を見せた。’17年も市場縮小が継続すると見られるが、その下げ幅は販売台数ベースでは10%程度改善する見込みです」  縮小傾向にあるデジタルカメラ市場だが、高い金を支払ってもユーザーが買いたい!と思うハイエンドモデルがその鍵を握っているのだ。 <文/井野祐真> 【参照】 「2016年グローバルのデジタルカメラ販売動向」 http://www.gfk.com/jp/insights/press-release/globaldigitalcamera/
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