一般的に「○○依存症」で思い浮かべるのはという問いに、多くの人は、「薬物」、「アルコール」、「タバコ(ニコチン)」と答える。それ以外にも、買い物依存やセックス依存といった依存症も有名だ。
依存症は医療的には「物質への依存」、「過程への依存」の二つがあるが、心理臨床的な共依存を加え、一般的には三つの類型に分けられる。
今回はまず、依存症の原型ともいえる物質の依存について紐解いてみたい。
物質依存といえば、アルコール、薬物、ニコチン、砂糖が四天王である。もちろんその他にカフェイン等も有名である。が、四天王には共通点がある。それは「強烈な習慣化を引き起こすことで過剰摂取し、死に至る可能性がある物質であり、実際に多くの症例が報告されていること」だ。
アルコール依存症は言うまでもなく、生命を蝕む厄介な病気である。あらゆる依存症を理解する上で「基本型」と言われており、様々な依存症の回復プログラムもアルコール依存症回復プログラムを大本にしていると言われている。依存症者の平均寿命は50代前半と言われており、女性は男性の半分の飲酒習慣歴で発症するのも特徴だ。
薬物依存には、大麻、覚せい剤などの麻薬が有名。妄想、幻覚、幻聴等の症状とともに強烈な渇望、離脱症状(いわゆる禁断症状)が起こることは誰もが知るところである。他の依存と違い、暴力団などの反社会勢力との結びつきや殺人、傷害といった犯罪事件の発生と関連づくことが多いのも特徴だ。
ニコチンは、摂取すると脳に爽快感が数十秒から数分続く効果があり、依存習慣を形作る。子供の頃あれだけ嫌だったタバコの匂いや煙たかったのに、吸い始めるとすぐ手放せなくなることからどれだけ恐ろしい常習性を持つのかがわかる。