消費税再増税延期で「アベクロ」関係はどうなる!?
2014.11.14
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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
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消費税再増税延期観測が強まっていることで、アベノミクスのもう一人の主役のようになってきた黒田日銀総裁の対応が注目される。かねてから、間接的な表現ながら再増税見送りに反対の意向を示していたからだ。安倍総理と黒田総裁の連携関係、「アベクロ」に変化が出てくる可能性はちょっと注目してみたい。
◆「黒田緩和2」は梯子を外されたのか!?
再増税についての黒田総裁の考え方は、以下の9月4日記者会見が比較的詳しいだろう。慎重な言い回しながら、「財政健全化進展への期待」を表明する一方、再増税が行われなかった場合には、「確率は低い」としながらも、「市場から財政健全化への疑念化を持たれると、政府・日銀としても対応のしようがない」、「影響は甚大なものになる可能性がある」などと強い懸念を示していた。
10月31日の追加緩和も、黒田総裁自身は否定しているものの、再増税決断への影響力行使との見方が強かった。その観点からすると、再増税見送りは「梯子を外された」ことになる。
黒田総裁は、追加緩和決定後の記者会見で、「中央銀行として、財政の持続可能性が担保されるということが当然重要だということは、どの中央銀行でも述べていることでありまして、政府が中期財政計画を着実に実行していかれるということは期待しています」と述べていた。
この理屈からすると、再増税見送りによって、さらなる金融緩和拡大、「黒田緩和3」の可能性はいよいよなくなったのではないか。(了)
<参考.9月4日、黒田日銀総裁の記者会見から引用>
「消費税率引き上げが行われた場合と、行われない場合のリスクをどうみるかは難しい点ではありますが、行われない場合には、それによって仮に政府の財政健全化の意思や努力について市場から疑念を持たれると――確率は非常に低いとは思いますが、そのような事態が起こってしまうと――、政府・日銀としても、対応のしようがないということにもなりかねません」。
「行わなかった場合のリスクが顕現化した場合には、なかなか対応し難いところがあります。後者は、確率は低くても、その影響は甚大なものになる可能性があるという意味では、リスクが大きいと思っています」。
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