1万人を面談した現役産業医が考える「違法残業がなくならない」本当の理由

 昨年の電通に関する報道をきっかけに、企業によっては当たり前のように行われていた過重労働(長時間労働)が注目を浴びるようになってきました。そして、最近は、HISや三菱電機(のち不起訴)といった有名企業による「違法残業」の事実が公表され、波紋を広げています。(参照:日経新聞)  今回はこれまで多くの企業を見てきた産業医の視点で、どうして違法残業がなくならないのか、考えてみたいと思います。

photo by カメラ兄さん

なぜ違法残業がなくならないのか?

 ズバリ、違法残業のなくならない原因は、「名ばかり管理職」だけでは、企業の抱える問題が吸収しきれなくなったためでしょう。そしてこの問題は、解決されぬまま、ホワイトカラーエグゼプションとして、うやむやにされ続けるのではないかと私は懸念しています。 「名ばかり管理職」とは従業員に呼称上、「店長」などの肩書きを与えることで、労働基準法上で労働時間管理の規制外となる管理・監督者を装い、彼らを残業手当の支払い対象から除外するという企業の意図から生じる実態のない管理職のことを言います。  一般的に経営と一体的な立場と考えられる管理・監督者は残業手当も支給されません。しかし、この管理職の実態は、肩書きは管理職でも実際の人事権や裁量権がなく、「名ばかり管理職」という不名誉な名前を生みました。つまり、「名ばかり管理職」は、企業の人件費コスト削減圧力の賜物という一面があるのです。  コスト削減のためにはじめた名ばかり管理職ですが、これを続けたばかりに2つの問題が生じ、違法残業がはびこるようになってしまったというのが、現在の多くの企業での実際ではないでしょうか。
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名ばかり管理職の2つの問題点とは?
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