VIX指数と連動した金融商品は複数あるが、VXXのように現物商品をショート=空売りで取引できる証券会社は限定される。玉井氏が活用するのは、インタラクティブ・ブローカーズ(IB)という外資系の証券会社だ。
「アメリカ発祥のオンライン証券会社で、機関投資家や個人でも専業トレーダーなどアクティブな人向き。マニアックな商品を網羅的に扱っているので、海外の上場商品を購入する際に重宝します。手数料も日本の証券会社と比べ、格安です」
VXXを100株(約21万円)取引した場合の約定手数料は、わずか1ドル。IBでしか買えない商品もあり、コアなトレーダーから熱い支持を集めている。
「世界100以上の市場に直接発注ができるので、上場銘柄ならほぼすべての取引が可能。VXXの場合、約2倍ほどレバレッジをかけることができます。VXX以外でもVIX関連のETF、ETNが取引できます。アメリカの証券会社の口座を開けば同様のことは実現しますが、昨今アメリカの金融機関は非居住者に厳しく、口座開設を断わられるケースも起きていると聞きます」
しかしながら、注意すべき点もある。IB証券の角丸聖樹営業開発部ディレクターが言う。
「弊社では個別銘柄の推奨や説明はしませんので、慣れない商品の場合、ご自身での十分なリサーチが必要となります。ユーザーインターフェースも日本語化していますが、高機能のためパソコン操作が苦手な方にはオススメできません。申し込み自体は日本語のHPからオンラインで可能です」
高いレベルの取引ができる一方、リテラシーも必要な模様。中級・上級者向けと言えそうだが、活用すれば大きな武器となりそうだ。
【玉井俊太郎氏】
個人投資家。外資系銀行をアーリーリタイア後、個人投資家に転身。現在はインカムゲインだけで悠々自適の生活を送る。世界の金融商品を調査するため、定期的に海外視察を行っている