長時間紛糾しそうな会議を「1時間」で終わらせるテクニックとは?

4つの質問で1時間で必ず合意形成する

 4つの質問とは、「洗い上げ質問」「掘り下げ質問」「示唆質問」「まとめの質問」だ。方針説明をする人が説明を行ったら、会議進行役が、まず、「洗い上げ質問」を繰り出す。今の説明に対して、「気になることがありませんか?」「反対意見をどんどん出していただけますか」……懸念や異論を、文字通り、ひたすら洗い上げるのだ。  1時間の会議だと、洗い上げに15分を費やす。10名の会議で15分用いれば、大概のトピックスで洗い上げを尽くすことができる。洗い上げが出来たところで、進行役は、「掘り下げ質問」に移行する。  「掘り下げ質問」は、「いま洗い出された5つの懸念のうち、最も深刻だと思う点はどれですか」「3つ意見を出されましたけれども、どれを先に議論したいですか」というように、議論の優先度が高い課題は何か、掘り下げていくプロセスだ。この「掘り下げ質問」に用いる時間も、経験的には、たいてい15分だ。  その上で、最も優先度合が高い課題が、例えば、「方針の必要性はわかるけれども、それを実現するリソースが不足している」であるとか、「実施したいけども、それに当てる時間がない」というようなであったとしたら、では、「リソースが充足できれば賛成ですか」「タイムスケジュールを引き直せば、少なくとも反対はしませんか」というように、前提をおいて、ある示唆をして、方向性を絞り込んでいく。私はこれを「示唆質問」と呼んでいる。  「示唆質問」を繰り出した結果、合意が得られそうであれば、結論の共有をするのだが、それも結論を伝達するのではなく、質問により行う。それが、「まとめの質問」だ。「懸念は解消されて、この方針を実行することで、よろしいですか」「スケジュールを引き直す前提で、実行フェーズに入りたいと思いますが、さらに懸念がありますか」という質問だ。これにより、参加者のコミットメントを形成する。
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重要なのは「決して応酬しない」こと
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チームを動かすファシリテーションのドリル

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