横ばい推移が続く「お茶市場」の中で、成長を続ける企業の戦略とは?

「一見バカなことでもやる」という社是

 ティーライフ代表取締役社長植田伸司氏は、株主へのトップメッセージを以下のように記している。
“企業の競争戦略の根本は「他社と違った良いことをする」に尽きると思います。「他社と違った良いこと」とはもちろんお客様にとって良いことであります。しかし「良いこと」と「違った」は矛盾することでもあります。「他社と違った良いこと」はすぐに真似されるか、もうすでに誰かがやっていることが多いからです。だから、すぐに真似されない一見「理にかなわないこと」を実行して、「他社と違った良いこと」を生み出し、磨き上げていかなければなりません。したがって、一見「バカな」といわれることでも、後で「なるほど」といわれるようなことを果敢に実行していきたいと思います。”
(参照:同社ウェブサイト)  筆者は以前、『投資家なら要チェック。2016年「ポーター賞」受賞企業が決定』という記事を執筆したが、同記事で「ポーター賞」の競争戦略のコンセプトは、「競合が真似しようとしても真似できない。競合が真似すると、競合が自滅する」ため、一見すると「非合理的な戦略が競争優位の源泉になる」と書いた。  独自性のある戦略によって競争に成功した日本企業や事業部に贈られ、投資家からも注目を集める同賞のコンセプトと、まさしく植田社長の理念が一致するのである。  この独自性ある理念こそが、同社の競争力の源泉となったのではないだろうか?
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地元の緑茶を敢えてスルー
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