JPモルガン・ヘルスケアカンファレンス、登壇した日本企業のプレゼン内容は?

緑内障市場にフォーカスした新薬開発を行う参天製薬

 参天製薬は、代表取締役社長兼CEO黒川明氏が1月9日(米国時間)にプレゼンテーションを行った。タイトルは、“Ophthalmology:Our Singular Focus”(眼科:我が社の唯一のフォーカス)である。(参照:同社資料)  参天製薬は、角膜疾患、緑内障、網膜疾患の3つの領域にテーマを絞ることで、従来培ってきた眼科研究の質・量・スピードと効率を高め、新薬開発の充実を図っている。プレゼン資料のP.19“Glaucoma Market is Growing”(緑内障市場が成長している。)では、緑内障による失明患者数が2020年までに世界で590万人に達するとの予測を示している。また、世界の緑内障患者数は、2015年8,040万人から2020年9,060万人に増加することが予測されている。参天製薬は、特に、緑内障市場にフォーカスした新薬開発を進めている。  緑内障・高眼圧症を適応症とするEP2受容体作動薬DE-117は、米国で後期第Ⅱ相試験を終了。日本において、2015年12月に後期第Ⅱ/Ⅲ相試験を開始。緑内障・高眼圧症を対象とした米国での第Ⅱ相試験を終了しているFP/EP3受容体デュアル作動薬DE-126(一般名:Sepetaprost)を、2016年3月に小野薬品工業株式会社より導入しグローバルの開発の権利を取得した。(参照:有価証券報告書P.25)

ベンチャーもプレゼンを行った

 ナノキャリアは、代表取締役社長中冨⼀郎氏が1月11日(米国時間)にプレゼンテーションを行った。ナノキャリアは、オンコロジー領域に特化した創薬ベンチャーで、超微細な「ミセル化ナノ粒子」で副作用少ない新薬の開発を目指している。  サンバイオは、代表取締役社長森敬太氏が1月11日(米国時間)にプレゼンテーションを行った。(資料非公開)サンバイオは、中枢神経系疾患に対する新しい治療薬として独自の再生細胞薬SB623の事業化を目指し、日米を中心に開発を進めている。  ヘリオスは、代表取締役社長兼CEO鍵本忠尚氏が1月11日(米国時間)にプレゼンテーションを行った。(参照:https://www.healios.co.jp/news/2017-01-11-jpmorgan/)ヘリオスは、化学物質の合成によって医薬品を作製する従来型の化合物医薬品(低分子医薬品)分野に加え、iPS細胞に関連する技術を活用した再生医療等製品分野を中核的な事業領域と位置付け、さらに、体性幹細胞再生医薬品分野を新規の事業領域として追加している。  JPモルガン・ヘルスケアカンファレンスでプレゼンテーションを行ったことで、これらの日本企業への注目は高まったことだろう。新薬開発、臨床試験、上市へと、投資家の期待に応えられるか? 注目したい。 <文/丹羽唯一朗>
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