厚労省の傲慢――業界事情を考慮しない全面禁煙の押しつけに飲食関係団体が緊急集会

石破茂衆議院議員の新人時代は、国会答弁の合間に一服

 そうした考え方は応援に駆け付けた議員も同様で、石破議員は、 「私が初当選した30年前は、国会も大半が喫煙者でした。例えば田中角栄先生はセブンスター、ミッチーはショートホープ、橋龍さんはチェリー。国会答弁の合間で一服するなんてこともあった」と、昔を懐かしみつつも、時代の趨勢を鑑みて「人が嫌だと言っているものを押し付けるようなことは容認できない」とする。 「しかしながら、厚労省のワーキンググループの議事録に目を通すと、受動喫煙防止について『全面禁煙にしたほうが簡単』という発言が見受けられた。これは知恵ある人の言葉ではありません。受動喫煙防止を実現するためにはどうすればいいのか。同時にどうしたら人に迷惑をかけずに喫煙できるのか。究極に難しい問題ではありますが、だからこそ知恵を絞り、工夫を凝らすことが行政の役目ではないか」  一足早く15年から屋内原則禁煙を法制化した韓国で、個人営業の飲食店が著しく減少し、国内経済にも約5000億円の打撃を与えたという例も紹介しながら、厚労省案があまりに拙速である危険性を指摘した。  神奈川県選出の公明党・上田勇議員からは、「2010年に神奈川県で施行され、飲食業界から大きな不満の声が上がった「公共的施設における受動喫煙防止条例」では、飲食店なら100㎡以下、旅館なら700㎡以下は対象外とされた。こうした前例は国の規制案においてもヒントになるのではないか」との意見も。  また、全国生活衛生同業組合中央会の大森利夫理事長は「我々には地道に分煙環境の整備に取り組んで、成果を上げてきた自信がある。これからも知恵を絞って、『分煙先進国ニッポン』を示そうじゃありませんか!」と気勢をあげた。  例えば一昔前と比較して、歩きタバコをする人はめっきり少なくなった。また、喫煙者が街の片隅にある喫煙所で大人しくタバコを吸っている姿をよく目にする。信号を守る、行列に並ぶといった公共マナーに関しては、諸外国の人々が驚くほど忠実な日本人のこと、分煙化を突き詰めさせればピカイチだろう。もしかすると、“禁煙グローバニズム”に乗らなくても、別の道が開ける可能性があるのかもしれない。  もちろん、彼らも商売だ。別に喫煙者を擁護しているわけでもない。喫煙室を設置できない零細飲食店にしても、ユーザーの多くが完全禁煙を求める時代になれば、閑古鳥が鳴くワケで、営業方針は客側の意思による“淘汰”が働くはずだ。ならば、オリンピックに向けて急いで体裁を取り繕いたい厚労省の気持ちもわからないではないが、「分煙」という形で何とかかんとか現状と折り合いをつけている飲食業界、特に零細飲食店に対しては、今しばらく、彼らの自助努力を見守ってあげてはどうだろうか。 <取材・文/HBO取材班>
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