上昇を後押しする材料に事欠かないアメリカ株。では具体的にどんな銘柄を選ぶべきか。おっさん氏は、いまや世界最大の小売業者に成長したアマゾンに注目する。
「株価の割安度を示すPER(株価収益率)は158倍と、非常に割高となっていますが、アマゾンにはこうした一般的な指標ではとても評価できないほど圧倒的な価値がある。さまざまな新サービスを打ち出して年々支配力を拡大しており、アマゾンなしでは生活できないような人が世界中で増えていくのではないでしょうか」
さらに、中丸氏とおっさん氏がそろって本命視するのは、世界の時価総額ナンバーワン企業であるアップルだ。
「ジョブズ亡き後は成長に陰りが見えるという意見もありますが、ブランド力は圧倒的」(中丸氏)
「サービス部門の売り上げも年間2兆円を超えてきており、ハードを売るだけのビジネスモデルはすでに脱却しつつあります。特にアップルペイは財布がいらなくなるほど大きなリプレイスの可能性を秘めております」(おっさん氏)
また、おっさん氏は配当の高いコカ・コーラ、ジョンソン&ジョンソン、P&Gもおすすめという。
「どれも世界的に強力なブランドを持ちながら、配当利回りは3%前後と高水準。配当を受け取りながら10年で株価2倍も目指せる」
ただし、アメリカ株投資にも当然ながらリスクはある。中丸氏が最も懸念するのは、トランプ政権の後半にかけて浮上する可能性が高いという「双子の赤字」だ。「トランプノミクス」に似ていると指摘されるかつてのレーガン政権下でも、問題になった財政赤字と経常収支(国際収支)赤字のことである。
「インフラ投資や減税は短期的には景気や株価に大きなプラスが期待できますが、時間がたつほどマイナス面が大きくなる。財政支出と減税による税収減がもたらす財政赤字と、景気拡張による輸入増で経常収支赤字拡大という問題が浮上してくると考えられます」