中国は日系サッカースクールが進出。香港・台湾も日本と連携【2016年アジアサッカーまとめ】

中国では日本人経営のサッカースクールが増加

 最後に、中国サッカー界における、日本人監督と選手の動向について。2016年シーズンは、中国スーパーリーグで指揮を執る日本人監督と、プレーする日本人選手は共にゼロであった。トップチームの括りでは、ドラガン・ストイコビッチ監督率いる広州富力で、コーチを務める喜熨斗勝史氏と、杭州緑城のアシスタントコーチを務める小野剛氏、シーズン後半からは池田誠剛氏もトップチームに帯同した。  当研究所が把握している範囲では、その他にも、杭州緑城と河北華夏幸福のユースコーチに複数名、3部リーグ銀川賀蘭山のトップチームに3名、女子1部の江蘇女子ユースチームに1名、女子2部浙江女子と広東女子のトップチームに複数名、及び、喜熨斗氏が兼任する広州富力のユースアカデミーに複数名の日本人コーチが在籍している(いた)ことを確認した。  また、日本人経営の民間サッカースクールが、上海や深圳などの沿岸都市などに点在。特に上海では、本田圭佑プロデュースのソルティーロ・ファミリア・サッカースクールが本格進出を果たして、既存の日系スクールを大いに刺激している様子だ。 【池田 宣雄】 1970年生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身。都内の大学で中国語を学び、1992年に入社した大手物流会社で上海勤務。2002年に香港にてビジネスコンサルタントとして独立。2012年からフットボールコーディネーターとして、日本人指導者や選手たちの海外移籍の仲介や、サッカー専門誌などでの執筆活動を開始。AFCB香港紫荊會代表。香港サッカー協会アソシエイトメンバー。香港在住。 【松下 勇亮】 上海・北京・天津・台北・ジャカルタにてサッカースクールの立ち上げに携わる。スクール運営、大会イベント企画運営、遠征コーディネートを中心に、日本・中国・台湾のプロ下部組織、代表チームなどの交流に従事。拠点である台湾では各地域のサッカー委員会の顧問として台湾サッカー発展に注力している。中華圏でのサッカー関係者のパイプは日本一を誇る。 【アジアサッカー研究所】 東南アジアを中心としたアジア新興国と日本およびアジアの国々のさらなる発展のために、各国の取り組みをリサーチし、関係者に共有し、さらなる価値を創造していくことを目的として、人材開発とコンサルティング分野など、日本とアジアのサッカー交流を加速させるプロジェクトとして活動している。http://ja.ifaf.asia/
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