急速に拡大を進める中国スーパーリーグ
2016年は、習近平国家主席の鶴の一声から始まった「中国足球改革発展総体法案」の、事実上の施行元年にあたり、中国サッカー界は沸きに沸いた。中国人民が、代表戦以上に熱狂するACL(AFCチャンピオンズリーグ)での戦いぶりから、「爆買い」で世界を席巻する中国スーパーリーグ、マルチェロ・リッピ降臨の中国代表の現在地、最後に中国サッカー界で活躍する日本人の動向を総括する。
まずはACL2016から。
名将スコラーリ監督率いるアジア王者広州恒大と、アレックス・テイシェイラなどを補強して臨んだ江蘇蘇寧は、グループリーグで敗退したものの、中国の至宝武磊(ウー・レイ)を中心に、ダリオ・コンカやエウケソンといった、実績十分の攻撃陣を擁する上海上港と、スーパーリーグでは下位に低迷する山東魯能が、グループリーグを突破した。その後、両クラブは準々決勝(東地区の準決勝)まで駒を進めたが、共に韓国勢に大敗を喫して大会から姿を消した。ACL2017には、広州恒大と江蘇蘇寧がグループステージから、上海上港と上海申花がプレーオフから出場する。
次に「爆買い」が最高潮に達している中国スーパーリーグ。
2016年も、世界的名将の招聘が相次いだが、特に目立った戦績を残した監督がいないため割愛する。
むしろ、世界的名将に入り混じって、5人もの韓国人監督が指揮を執っている事実を明らかにすべきだろう。洪明甫率いる杭州緑城は、降格の憂き目に遭ったが、彼らは実に現実的な報酬で招聘されており、その上で、世界的名将相手にしっかりと対峙している。中国では、韓国人監督の招聘がひとつの選択肢になりつつある。