一方、ダウ・ケミカル(DOW)とデュポン(DU PONT)の合併では、7月に双方の株主が590億ドル(6兆7800億円)の株式交換による対等合併を承認した。3社に分割する為に雇用の整理などを行い、同じく関係当局からの合併承認を受けて2017年の第一四半期に正式に合併が成立すると見ている。
さらに、2017年の第一四半期に買収が成立する予定になっているのが中国加工集団(CHEM CHINA)によるシンジェンタ(SYNGENTA)の買収も買収金額は430億ドル(4兆9500億円)で決まっている。
即ち、種子並びに除草剤、殺虫剤、防カビ剤など化学薬品で占めるアグリビジネスで世界を支配して来た大手6社が2017年には3社に集約されるということである。競争の寡占化である。この6社で化学薬品市場の75%、種子市場の63%、アグリビジネスの研究開発で75%を占有することになるというのである。一般的に寡占化に成ると消費者にとって良い結果が生まれなくなるのが常である。生産及び供給業者が消費者の希望を無視して生産業者の都合の良いように商品選択の幅を狭めるようになる傾向があるからである。(参照:「
iProfesional」)
集約された3社のアグリビジネスに占める市場占有率は<バイエル・モンサント23%、ダウ・ケミカル・デュポン16.3%、中国集団加工・シンジェンタ16.2%>という割合になっている。