KADOKAWAが導入を予定しているデジタル印刷機とは、どんなもので、どのような特長があるのか?
その前に、従来の非デジタル印刷について簡単に説明しておこう。従来の印刷には凸版、平版、凹版、孔版などの種類があるようにいずれも「印刷版」と呼ばれるものが必要だった。しかし、オンデマンドデジタル印刷では、従来の印刷には必須であった「刷版工程」が不要となっている。公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)によれば、デジタル印刷の特長について以下のように記している。
“無版であることから、デジタル印刷では入稿から印刷までのプロセスを自動化することができる。これは、印刷にかかわるコストの削減や人手がかかわることで生じる人的ミスをなくすことにつながる。無版であるという特徴を活かすことで、一部ずつ印刷物の内容を変えるバリアブル印刷が可能となる。印刷会社はこの機能を活用することで、パーソナライズやバージョニングといった付加価値の高い印刷サービスを提供することができる。”(参照:
公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT))
KADOKAWAが導入を予定しているのは、120か国、4000社以上で導入されているという「HP PageWide Web Press T490M HD」、「HP Indigo 50000デジタル印刷」をはじめとする最新のHPデジタル印刷機である。これらは、製本・後加工機や出版に特化したワークフロー管理システム等を含む。
HPデジタル印刷機の導入により、文庫、ライトノベル、新書、コミック等の本文、口絵、表紙、カバー、帯にいたるまでを一貫生産することができるようになるとしている。(参照:
日本HP)