黒田緩和は「画期的」なのか、それとも「無謀」なのか
2014.11.07
資料参照>。その意味では最近も、これまでの常識からすると為替介入する必要のあるくらいの「悪い円安」ではないのか。
※<資料>はコチラ⇒http://hbol.jp/?attachment_id=12397
ところが、為替介入どころか、さらに円安になる可能性のある追加緩和に動いたわけだ。これは、たとえるなら為替介入を行っている「悪い円高」局面で日銀が利上げすることに近いのではないか。
仮に1ドル=75円程度で「悪い円高」が懸念されるなか、日銀が利上げに動いたらマーケットはどうなるだろう。間違いなく驚くだろう。そして一時的にかなり円高になる可能性が高いだろう。
「悪い円高」での日銀利上げは、常識的には「ありえない政策」だろう。ただ、常識的に「ありえない政策」はどこかに大きな歪が出る可能性が高いだろう。普通は、株が急落するのではないか。それが「狂気の円高」に歯止めをかける形で、結局「ありえない政策」を受けたマーケットの反応も収れんされていくのではないか。
今回の黒田緩和が、やはり常識的には「ありえない政策」なら、どこかに大きな歪が出ることで、最近の「ビックリ円安」も収れんに向かうのではないか。そんな歪は、普通はやはり株の動きが注目されるだろう。(了)
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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi
●毎週動画 http://www.m2j.co.jp/fx_channel/
●FXの学校「アカデミア」https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/
10月31日の日銀追加緩和、「黒田緩和」以降、円は一段安になった。これは、例えば円高阻止局面で日銀が利上げするといった常識的には「ありえない政策」という前提での反応という評価になるのではないか。
◆「悪い円高」での利上げと正反対ではないか
ドル/円は5年移動平均線からの乖離率がプラス20%以上に拡大している。1990年以降で、同乖離率が±20%以上に拡大したのは3回あったが、すべて為替介入が行われていた<ハッシュタグ