実用化が進む人工知能、“AI脅威論”は非現実的

AIロボが話相手に!?’17年発売のユニボ

 また、人間関係のあり方すら変える可能性がある。 「中国で開発された『小氷』という名のチャットボットは、会話の文章から人間の感情の機微を読み取り、本当の人間と会話しているような感覚が得られます」  友人や家族のようなこうしたロボットは「パートナーロボット」と呼ばれている。薬の飲み忘れ、運動不足になっていないかまで確かめ、話相手にもなる。特に高齢者は昔の話を繰り返すことで精神が安定し、脳も活性化すると言われているが、「人間ではイライラしてしまうような場面でも文句を言わずに、適切な相槌を入れてくれます。昭和の懐かし映像なども流してくれます」という。将来的には、こうしたパートナーロボットが生涯の友となることもあるかもしれない。 ’17年には利用者の個性を学習する「ユニボ(本体価格9万9800円)」が発売される。今後高まる議論としては、「実はAIがどのようにして結果を導き出しているかについてはわかっていない。それを解析するAIの開発や、軍事利用に際する倫理問題などが問われてくる」という。

各企業、機関のAI導入状況

・Uber AIに知見のある学術研究者が共同創業したスタートアップGeometric Intelligenceを買収 ・国立がん研究センター センターに蓄積された臨床情報やマルチオミックスデータ、さらに疫学データと文献情報を統合的に解析 ・OpenAI AIの知能を測定・学習するためのソフトウェアプラットフォーム「Universe」をリリース。OpenAIはAIをオープンソース化するための非営利研究機関で、イーロン・マスクが共同会長を務める ・AmazonGo Amazonが17年に開店する無人店舗。レジに並ばず、アプリを起動して支払い店を出る 【神崎洋治氏】 AIジャーナリスト。人工知能やロボット、コンピューター分野に精通。トライセック代表。近著に『人工知能がよーくわかる本』(秀和システム)など
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