次期韓国大統領の課題は何か。
「政治的混乱がある程度収まったらやはり経済。国民は食べていければいいわけですから、嘘でもいいから国民生活向上に対する公約を突き通せるかが鍵になります」
一方、朝鮮労働党の一党支配体制が続き、ミサイルや核問題で各国を揺さぶる北朝鮮はどう立ち回っているのか。
「金正恩氏は、自身の指導体制が数十年続く前提で政治を行っているため、韓国よりは“安定感”がある。小国なりの生存戦略で、世界に一定の存在感を示しています」
一方、韓国は民主主義によって混乱が生じる。
「EUの混乱やトランプ現象然り、近年は民主主義の限界が来ているのかもしれない。朝鮮半島の現況も、最も象徴的といえるでしょう」
日本も隣国を他山の石とし、自らの民主主義を問い直すことが必要なのかもしれない。
【高 英起氏】
北朝鮮問題専門サイト「デイリーNK」編集長。在日コリアン2世。韓国を含めた半島情勢に詳しい。著書に『
コチェビよ、脱北の河を渡れ』(新潮社)など