FX投資の裏技――トルコリラは両建て勝負の比率は?

最安値のロング3に対して売り1の両建てで堅実投資

「前歯をオールセラミックにしたんです。けっこう高かったんですが、トルコリラの稼ぎで払えました」  そう言って白い歯を見せながら笑うのは、トルコリラをメインにトレードする那菜さんだ。 「トルコリラを始めたのは去年の8月、チャイナショックのあとでした。それまでは米ドルや豪ドルをトレードしていたんですが、『○○ショック』に振り回されることが多かった。それで、何もしなくても毎日金利がもらえるスワップ派もいいな~と思ったんです」  去年7月のトルコリラ/円は45円前後。それが、チャイナショックを経て暴落して以降、大きな反発もなく右肩下がりに。’16年前半の円高相場もあり、11月下旬時点では32円台まで下落している。チャイナショックから約30%も下落しているのだから、結構な含み損を抱えていそうだが……。 「私も最初はただ買っているだけだったので、下げ続けるトルコリラを見て凹みました。でも、ある掲示板で知り合った人から『トルコリラは両建てするといいよ』と言われて。買いだけではなく、売りでも入るようにしたんです。それからは順調に利益が出ています。トルコリラ、とてもよく落ちるので、ショートでの利益が(笑)」
トルコリラ

トルコリラ/円は昨年から顕著な下落トレンドにあるため、安値を更新するたびにナンピンの要領でロングを形成。一時的な反転局面でショートを仕込むことで、含み損拡大のリスクをヘッジ

 ただ、両建ては簡単そうに見えて、問題がある。まずは証拠金。買いと売りの両方を建てると、単純に必要証拠金が2倍になるFX会社も少なくない。 「私が使っているのは外為どっとコム。両建てしていても、よりポジション量の多いほうの証拠金だけで済みます」  こうした証拠金の計算方法を一般に「マックス方式」という。理論上、同じ枚数だけ売りと買いのポジションを保有していたら、変動リスクはゼロ。その点に配慮して、売りと買いで建玉の多いほうにのみ必要証拠金が発生するのだ。両建てすることが多い人は、このマックス方式がオススメだ。
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スパンモデルで売りポジションを形成
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