常磐線が仙台~福島原発20km圏内小高駅まで運行再開、喜びの声と冷ややかな声

代行バスに乗る不便さが解消

原ノ町駅

原ノ町駅に停車する仙台駅行きの列車。今回の常磐線復旧までは小高駅ー相馬駅の短い区間をピストン運行していた

 東日本大震災の津波により駅舎や線路が大きな損傷を受け、5年9か月にわたって不通となっていた常磐線浜吉田駅と相馬駅の区間が12月10日に運行再開した。  新たに敷設された線路はルートを海から1kmほど内陸に移動して、一部は高架線になった。区間としては仙台駅から小高駅までが一本につながったことになる。福島第一原発の事故による居住制限区域制限によって小高駅より南、福島第一原発をはさんだ竜田駅までは現在も不通になっている。  運行再開前は相馬駅から浜吉田の一つ先の亘理駅まで代行バスが走っていたが、乗り換えの不便さや、余計に時間がかかることもあり、利用者は不便を強いられていた。南相馬市の原ノ町駅で話を聞いた同市住在の30代女性は、常磐線復旧を心待ちにしていたという。 「勤め先が亘理駅の近くにあるのですが、これまでは毎日車で運転して通っていました。会社の飲み会があってもいつも飲めなくてストレスが溜まっていたのですが、これで心置きなく飲んで、電車で帰ることができます」
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原発20km圏内を抱える南相馬市民の大きな期待
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