一方で、南相馬市の原ノ町駅周辺では冷めた声も聞かれた。駅の近くで飲食店を経営する男性は次のように話す。
「小高駅の時も開通した日はテレビや新聞が騒いだけど、いま小高駅行きの電車に乗っているのはせいぜい1人か2人。こっちの人の移動は基本的に車だからさ」
今回常磐線が復旧するにあたり、各地では喜びの声が聞かれた反面、手放しで喜ぶ人は少なかった。まだまだ福島の復興が道半ばであるようだ。
常磐線は今後2020年までに全線の開通を目指しているが、福島第一原発の目と鼻の先を通るため、実現は困難ではないかと予想されている。運転再開は喜ばしいことだが、そのほかの面での復興支援もまだまだ必要となっていくだろう。
<取材・文・写真/白川愚童>