’17年の勝ち組企業はここだ!――キワードは「規制」

長期金利は上がらずとも貸出金利を引き上げへ

 しかし、実際にはメガバンクというものは、どんな状況下でも何だかんだと理屈をつけて貸出金利を引き上げて利ザヤを稼ぐものです。’16年4~9月期の5大銀行グループの連結決算を見ても明らか。5グループ合わせた実質業務純益は前年同期比3%減の1兆5438億円で、連結最終純利益は同10%減の1兆3927億円。減益にはなりましたが、マイナス金利下でも着実に高収益を維持しているのです。日銀が抑え込んでいるので、今後、長期金利はそれほど上昇しませんが、メガバンクは遠慮なく貸出金利を引き上げるでしょう。注目は、常に出遅れがちのみずほFGと、たびたび三井住友FGによる買収が囁かれるりそなHDでしょうか。みずほは投資銀行業務に強みがあることから、株価の見直しが進んでもおかしくありません。  同じく規制業種で、国内たばこ市場を独占しているJTも勝ち組企業です。たばこは超成熟産業ではありますが、超寡占産業でもある。喫煙率は右肩下がりで国内では逆風にさらされながらも、戦略的なM&Aで海外売上比率を伸ばすことで、成長を持続させている点は大いに評価できます。加えて自社株買いを積極的に行っている点は、もう少し株価に反映されておかしくない。同じ理由で、NTTドコモにも注目しています。総務省から“実質0円”販売を禁止され、格安スマホ(MVNO)という新興勢力の台頭もありますが、11月に発表した中間決算は前年同期比26%の営業増益。通期の見通しを上方修正するほど、好調を持続しているのです。  もう1つ、規制業種の関連銘柄としてサイバーエージェントを挙げておきます。現在の稼ぎ頭はゲーム事業ですが、インターネット広告事業が柱。さらに4月に開局した「AbemaTV」に代表されるメディア事業も展開しています。この「AbemaTV」はテレビ朝日との共同出資会社での運営。現在は赤字を垂れ流していますが、それでも’16年9月期の営業利益は前期比12%増。今期は減益予想ですが、赤字のメディア事業の収益化が進むようならば、大化けもありえます。
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[闇株新聞]2017年注目銘柄
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