磁器人形ブランド「リヤドロ」、創業者一族の骨肉の争いで崩壊寸前の状態に

 リヤドロの3兄弟フアン(90)、ホセ(88)、ビセンテ(83)はバレンシア市内にあった美術学校で芸術を学び、1953年より花飾りの陶器の製品を作っていた。その後、バレンシア市内からおよそ10km離れたタベルネス・ブランケス市で1958年より磁器人形つくりに専念した。今も工場の中の従業員のひとりひとりが優れた芸術家という印象を与える程に精緻な作品が作られている。100%手づくりというのが強調されている。それは花びらの一枚一枚がそれに取り掛かる作業員の手先の器用さに依存して綺麗で精巧に仕上がったものになっている。  1980年代のスペイン通貨ペセタ時代に世界の隅々まで輸出された。一番重要な市場は常に米国であった。ハリウッドスターなどもリヤドロのファンになっていったという。カリフォルニアのビバリーヒルズに店を構えた時には、オープニング・セレモニーに<チャールト・ンヘストン、マイケル・ダグラス、ティッピ・ヘドレン、ローレン・バコール>らも出席したという。また、<マイケルジャクソンはリヤドロの作品のコレクターで工場を見学したいと希望して態々タベルネス・ブランケス市のリヤドロ本社を訪問>している。(参照:「El Mundo」)  また、1988年にはニューヨークの57番街にリヤドロ博物館・ギャラリーをオープンした。  日本には1986年に三井物産とのジョイントベンチャーで導入された。その後、2006年からはリヤドロが単独で販売事業を続けている。
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創業者一族の骨肉の争い
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