シンハービールがセレッソ大阪のスポンサーに。「Jリーグアジア戦略」の中心地・タイ

元コンサドーレ札幌三浦雅之氏がタイクラブ監督に就任

 人材交流の面でもタイでは他国に先駆けた多角的な動きが見られる。タイリーグ3部のコンケーンFCと提携を結ぶコンサドーレ札幌は若手選手をコンケーンFCにレンタル移籍させる形での育成を展開、2016年にはコンサドーレ札幌のアカデミーコーチや監督、トップチームコーチを務めた三浦雅之氏がコンケーンFCの監督に就任した。また、コンケーンFCの若手選手が練習に参加するなど、札幌への移籍という展開も視野に入れられている。  さらに、今年8月には東京ヴェルディ1969がタイの育成年代のチームであるアスコットインターナショナルスクールのアカデミーとの提携を発表。アカデミー世代の交流を通して将来的にはタイの優れた才能をJリーグでプレーさせることも見据えられており、育成年代に焦点を当てた新しい動きといえる。  2016年11月現在、タイからのJリーガーはまだ生まれていない。だが、2016年のシーズン開幕前にはタイ代表の中心選手であるチャナーティップ・ソンクラシーンにFC東京がオファーを出すなど、タイ人Jリーガー誕生へ向けた具体的な動きがうかがえる。実現すれば、タイにおけるコンテンツとしてのJリーグの価値が高まるのは確実だ。「アジア戦略」の中心地であるタイでそれが起きた時、Jリーグと東南アジアの関係はまた新たなフェイズに入っていくだろう。 <取材・文/本多辰成> 【本多辰成】 1979年、静岡県浜松市出身。出版社勤務後、日本語教師としてタイへ渡る。その後、タイをベースにフリーランスライターとして活動。サッカーをはじめとした東南アジアのスポーツを中心に取材、執筆を行っている。東南アジア情報サイトやサッカーメディアなどにタイを中心とした東南アジア関連の記事を寄稿している。 【アジアサッカー研究所】 東南アジアを中心としたアジア新興国と日本およびアジアの国々のさらなる発展のために、各国の取り組みをリサーチし、関係者に共有し、さらなる価値を創造していくことを目的として、人材開発とコンサルティング分野など、日本とアジアのサッカー交流を加速させるプロジェクトとして活動している。http://ja.ifaf.asia/
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