コピペサイトで炎上中のDeNA、苦しい経営実態を数字で読み解く
2016.12.06
キュレーション事業の可能性
その後の顛末は本記事冒頭、あるいは他のメディアが詳細に伝えている通りだが、本稿では別の観点から考察を加えたい。それはこのままキュレーションプラットフォーム事業が存続していたら、どれほどの利益を上げていたのか? それはDeNAが必死に探している、ゲーム事業の次の柱となりえたのかという観点だ。
筆者は、これは否、だと考える。DeNAの決算説明資料でも、キュレーションプラットフォーム事業は「短・中期の」とか「2−3年後の」成長ドライバーという説明のされ方をすることが多かった。そもそもキュレーションプラットフォーム事業は、大雑把に言えば、既存の雑誌市場の置き換えを狙っていると言える。
紙の雑誌は広告費と講読料の2つのマネタイズ方法があるが、キュレーションメディアは全て広告収入に頼っている。この雑誌広告の市場規模は、電通が出している『日本の広告費 2015』によれば、たったの2500億円にも満たない。
これよりもう少し大きい市場として、コミックの4000億円弱の市場がある。ここでは「LINEマンガ」を手がけるメディアドゥが同事業で約100億円の売上をあげるに至ったが、キュレーションプラットフォームの上限もだいたいこのあたりにあったのではないだろうか。
メディア事業の市場規模は?
50億円かけてiemoとペロリを買収して作ったキュレーションプラットフォーム事業は、今回の騒動でほぼ全壊といった様相を呈しているが、同社にはいまだ750億円もの現預金がある。今回の騒動で失った評判を取り戻すためにも、健全な新規事業の成長を進めてほしい。
【参照】
株式会社ディー・エヌ・エー「有価証券報告書・四半期報告書」
<文/大熊将八>
おおくましょうはち○現役東大生にして、東大・京大でベストセラーの企業分析小説『進め!! 東大ブラック企業探偵団』(講談社刊)著者。twitterアカウントは@showyeahok |
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