ふるさと納税でクールジャパン?新庄市が取り組む「スマートドール構想」の全容

 2016年度の寄付額が3000億円に達する見込みと発表され、俄然にぎわいを見せるふるさと納税。寄付をすれば肉や米、野菜などが“お礼”として自宅に届き、2000円を超える部分は翌年の税金から減税されるという夢のような制度だが、注目すべきは食べ物だけではない。地域の特性や根付いた文化を生かした魅力的な返礼品も存在するのだ。  山形県新庄市の返礼品として登場した「スマートドール」は、その象徴的な事例と言えよう。同市の担当者である尾上直樹氏が語る。 「スマートドールとは、日本のサブカルチャーを紹介する海外向けポータルサイトの運営者である、イギリス出身のダニー・チュー氏がデザインしたファッションドールです。2013年に日本観光庁公式マスコットキャラに就任し、最近では伊勢丹とのコラボレーションなどでも注目を浴びています。昨年度に新庄市では、ふるさと納税お礼品の一般公募を行い、市内金型メーカーのムトウ㈱が骨組とその金型を製造していることから、提案を受け、お礼品に採用されることとなりました。2016年4月に、スマートドール『末永みらい』が初めてお礼品として登場して以来、現在では5種類まで拡大しています」
スマートドール

新庄市に根付く伝統技術と現代のニーズを融合させる取り組みに

 5種類のスマートドールは、高さ60cm、多関節可動式の本格派。古くから伝わる金型の技術と昨今のニーズを融合させた仕上がりは見事。こうしたアイデアで、地元・新庄市を盛り上げていく。 「新庄市で毎年8月24日~26日に開催される一大行事『新庄まつり』が、この度『山・鉾・屋台行事』としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。それを祝い、『スマートドール×新庄まつり』企画も準備中です」(尾上氏) ソフトコンテンツの力で町おこし 愛らしいその姿を支える確かな技術――そもそも、日本有数の豪雪地帯でもある新庄市は、昔から手仕事が発達してきた地域。ふるさと納税で、そんな新庄市の返礼品を知るのはいい機会だ。 「伝統工芸である新庄東山焼や新庄市出身の鍛金作家で人間国宝の奥山峰石氏が作ったブローチなども用意しています。ぜひ、手に取ってほしい」(尾上氏)  新米や山形牛など、ふるさと納税ではベーシックな食材を最高水準の還元率で用意する一方、スマートドールや伝統工芸にも力を入れる新庄市。地方創生がふるさと納税の命題ならば、これがあるべき姿なのかもしれない。 ■新庄市のふるさと納税サイト■ https://www.furusato-tax.jp/japan/prefecture/06205
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