紙媒体の書籍・雑誌の市場規模の減少トレンドに反して、伸びていく電子書籍・雑誌

 上記のインプレス総合研究所調査の通り、2015年度の電子雑誌市場規模は242億円(対前年比66.9%増)と、伸び率では、電子雑誌が1番。その電子雑誌市場の成長を支えているのが、「読み放題サービス」である。  例えば、フジテレビの人気番組を動画配信する「フジテレビオンデマンド(FOD)」では、フジテレビで現在放送中の番組、過去の名作ドラマ、オリジナルバラエティ、映画、アニメ、スポーツ中継、アーティストライブ中継などのライブ映像がコンテンツであるが、それに加えて、会員限定無料サービスとして、人気雑誌の最新号が読み放題である。PC、スマートフォン、タブレットのブラウザから直接読むことができ、アプリ等のインストールは必要ない。電子雑誌は、SPA!、FRIDAY、FLASH、週プレ、週刊東洋経済、週刊ダイヤモンド、女性自身、週刊現代、ESSE、Hanako、料理通信、ムー、ワールドサッカーダイジェスト、サッカーダイジェスト、Discover Japan、MEN’SEX、GoodsPress、ニューズウィーク日本版、週刊朝日、週刊エコノミストなどが対象である。(参照:「FOD」)  電子雑誌としては、NTTドコモによる電子雑誌を月額400円(税抜)で読むことができるサービス「dマガジン」が、その地位を確立している。“多彩なジャンルの人気雑誌160誌以上の最新号、バックナンバー合わせて1,000冊以上がいつでもどこでも読み放題!”(参照:「NTTdocomo」)を謳っている。NTTドコモによると、「dマガジン」の販売が好調であり、2016年9月末時点で、前年同期末と比較し80 万契約増の331万契約となったという。(参照:「四半期報告書(第26期第2四半期)」P.11)  また、既存の雑誌を電子化する「オーサリング」による電子雑誌サービスではなく、はじめから「デジタルファースト」で作成した雑誌を配信するサービス「ブランジスタ」なども登場している。広告収入を主な収益源としており、会員登録やダウンロードも不要だが、有名女優をカバーに起用するなど一見すると既存の雑誌と変わりない見栄えがウリとなっているようだ。現在のところ11誌のラインナップが控えており、ファッション(男/女)・ビューティ・旅行・マネー術・インテリア/住まい・政治経済等のさまざまなジャンルのオリジナル雑誌を提供しているという。(参照:ブランジスタ電子雑誌)  電子雑誌市場の成長は、紙の雑誌にとって脅威になるのか?それとも、縮小していく既存の雑誌コンテンツを新たなプラットフォームで提供する救いの手になるのか。今後の行方が注目される。 <文/丹羽唯一朗>
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