実は、ダークテトラッドに出会ったときの対処法は、ひとつしかありません。徹底的に無視を決め込むことです。
2016年に、オーストラリアの研究チームが、396人のダークテトラッドを調べたうえで、こんな結論を出しています。
「『荒らし』たちのゴールは、ネガティブなコミュニーケーションによって、社会的なカオスを引き起こすことだ。この事実をネットユーザーが学べば、荒らしに対してもっと洗練された対応ができるだろう」
ダークテトラッドの目標は、正義でも建設的な議論でもなく、あくまで他人の苦しみを引き出すこと。怒りや悲しみといったネガティブな感情こそが、彼らの欲望を育てるエサなのです。
つまり、自分の感情が少しでもゆれ動く姿を見せた時点で、向こう側の思うツボ。反応さえ見せなければ、ほどなくダークテトラッドは次の狩り場へ向かっていきます。その意味で、「荒らしはスルーが一番」という有名なフレーズは、科学的にも大正解だと言えましょう。
それでも彼らに反撃したくなったときは、「この人たちは、他人を苦しめたい衝動に突き動かされているだけの可哀そうな人たちなんだな…」と思ってみてください。少しは優しい気持ちになれるんじゃないでしょうか。
1.田中 辰雄、山口 真一「ネット炎上の研究」勁草書房
2.Erin E. Buckels,et.al“Trolls just want to have fun”(2014)
3.Naomi Craker,et.al“The dark side of Facebook®: The Dark Tetrad, negative social potency, and trolling behaviours”(2016)
<文/Yu Suzuki 写真/
ぱくたそ>
月間100万PVのアンチエイジングブログ「パレオな男」(
http://yuchrszk.blogspot.co.id/)管理人。「120歳まで生きること」を目標に、日々健康維持に励んでいる。アンチエイジング、トレーニング、メンタルなど多岐にわたり高度な知見を発信している。NASM®公認パーソナルトレーナー。あまりに不摂生な暮らしのせいで体を壊し、一念発起で13キロのダイエットに成功。その勢いでアンチエイジングにのめり込む。11月11日、初の著書『
一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』(扶桑社)が発売予定。