NAFTA批判をし、不法移民追放を叫ぶトランプの「不都合な真実」

不法移民が増えた本当の理由はどこにある?

 しかし、トランプ氏が米国の有権者の前で隠していることがある。NAFTAによって、米国から安価な農作物や工業製品がメキシコに輸入されて、<メキシコの農業は破壊され、200万人が農業を放棄せばならなくなった>という事実である。そして、そこから多くの農民が米国に移民しているのである。(参照『Houston Catholic Worker』)  トウモロコシはメキシコの主食である。NAFTAによって、米国から安価なトウモロコシが大量に輸入されて、メキシコの農家でのトウモロコシの栽培を廃業せねばならなくなったという事実。NAFTAの成立以降、<農作物の42%は大半が米国からの輸入である。80%の米、95%の大豆、56%の小麦は輸入品>となり、メキシコの農業の破壊を導いたのである。(参照『Rebelion』)  工業生産力を見ると、2008年を100としてNAFTAが合意された1994年は67.9であったのが、2012年には110.55と集計され、メキシコの工業部門の成長は非常に僅かだということになる。それは隣国に米国を抱え、そこから関税なしで安価な商品がメキシコに輸入されるからである。隣国に生産力のある国がいると、メキシコでの工業の発展は非常に難しい。例えば、玩具部門では<1993年にメキシコで玩具メーカーは380社存在していたのが、2年後には僅かに30社が存続>しているだけという厳しい現実をメキシコは抱えたのである。  米国からメキシコへの輸出は<1993年の510億ドル(5兆3500億円)から2011年には2230億ドル(23兆4000億ドル)>という4倍に成長している。そのお陰で、<米国では500万人の新たな雇用を生んだ>のである。そして、メキシコにとっては<全輸入量の51%が米国からの輸入>なのだ。(参照『BBC』)  この事実については、トランプ候補は有権者に伝えていない。
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不法移民こそNAFTAの被害者
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