ここまでのところは人材確保がうまくいっているテラスカイだが、ここからが正念場となる。同社の平均年間給与は、決算書によれば540万円程度で推移している。これは同業他社と同じ程度か、やや低いぐらいの水準と言える。たとえば勤怠管理システム導入大手のアマノの平均年間給与は644万あり、一人当売上高の高いジャストシステムは884万円もある。
「四半期連結損益計算書関係」でも、給料および手当の増加は明らか
実はテラスカイぐらいの規模のときの人員確保が最も難しいとされる。創業期のベンチャーであれば、ゼロから立ち上げに参加したい人も集まるし、多額のストックオプションという形でリターンで報いることもできる。超大手になれば、高い給与水準や手厚い福利厚生で人材を惹きつけられる。
しかし、社員数が100人を超えたあたりの会社はある意味で「どっちつかず」なので、優秀な人材を集める方法を見つけるのが難しい。テラスカイのエンジニアには認定資格を取ってもらうなどの高度な専門性が求められるから、誰でもいいから採用して育てるというのも難しい。
高単価な案件を獲得できるようにシフトしていきながら、人材の確保が続けられるかどうか。テラスカイはここからが正念場である。
<文/大熊将八>
おおくましょうはち○現役東大生にして、東大・京大でベストセラーの企業分析小説『
進め!! 東大ブラック企業探偵団』(講談社刊)著者。twitterアカウントは
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