渋谷の各地で進む「駅移設」――メトロを運休させた大工事もその一環だった!
2016.11.17
11月はじめに、東京メトロ銀座線渋谷駅の周辺で行われた部分運休を伴う大工事。最初の運休は11月5日・6日の土日に行われ、次回は11月19日・20日に行われる予定だ。
しかし、電車を運休させるほどの大規模な工事が行われたにも関わらず、運行再開後の銀座線に乗っても「なにがどう変わったか分からない」と思った人も多いであろう。
今回の工事は、一体どのようなものであったのだろうか。
今回の工事は、簡単に言うと銀座線渋谷駅の移設工事に伴うものだ。
現在の銀座線渋谷駅は1938年に建築されたもので、東急百貨店東横店(当時は東横百貨店、1934年開店)の3階に入居している。
この地下鉄開通前後の渋谷の様子は、当時東京市渋谷区に住んでいた紀行作家・宮脇俊三氏の著書「昭和八年 澁谷驛」(PHP研究所)に詳しく書かれている。渋谷は1932年に東京市に編入される前までは豊多摩郡澁谷町であった。東横百貨店が開店した当時はハチ公もまだ生きており、少し外れには随所に空き地があったという(なおハチ公は地下鉄開通前の1935年に没している)。そんな「東京のはずれ」であった渋谷にターミナル百貨店が誕生し、そして新宿を差し置いて、しかも百貨店に乗り入れるというかたちで地下鉄がやってくることを、宮脇少年は誇らしく思わずにはいられなかったそうだ(新宿に地下鉄が乗り入れるのは戦後のことである)。
運休は銀座線渋谷駅の移設準備に伴うものだった
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