米国で波紋を呼ぶ「隠れトランプ」の告白~分断されるアメリカ

“私は人種差別主義者でもなければ偏向的人間でもなく、極端な排他主義者でも、白人至上主義者でもない。” “ウエストバージニア州で育ち、生涯リベラルとして生きてきた私は2008年冬、バラク・オバマ氏を米国初の黒人大統領にしなければと、伝統的に保守色の強いバージニア州に引っ越した。こちらの州で投票することが、黒人大統領誕生に役立つからだった。しかし私はこの一年というもの、大統領選で誰を支持するかについて、隠すようになっていた。共和党候補トランプ氏投票に気持ちが傾いているという秘密を持つようになっていたのだ。” “私はヘイトも分断も、そうしたことに対する無関心にも、断固として反対する。民主党の中絶、同性婚、環境問題に関する政策には賛成の立場だ。しかし私はシングルマザーであり、国民皆保険制度「オバマケア」施行後の健康保険料を負担する経済力はない。住宅ローンの負担を軽減するオバマ大統領の「HOPE NOW」政策も、私には何の役にも立たたない。大統領選投票日だった日、私は自宅のあるバージニアから車で、故郷であるウエストバージニア州モーガンタウンへ帰った。そこで目にしたのは、アメリカの田舎町の、普通のアメリカ人が、オバマ政権誕生から8年経った今、自分と同じように苦しい生活をしているという現実だった。”
(参照:『ワシントン・ポスト』)
次のページ 
「普通の中間層」の現実
1
2
3
4