英政府、英国日産にEU離脱後の競争力維持への支援を公約。その背景にあるものは?

 そもそも、英国日産はBREXITによって、EU単一市場への輸出に関税或いは特別付加税などが科されるのではないかと懸念して、最悪の場合はこの2車種をヨーロッパ大陸の方で生産することも検討していた。その候補に挙がっていたのはスペインであった。しかも、10月初旬の保守党の党大会で、メイ首相は「HARD BREXIT」を主張したことから、EU市場への輸出が無関税になることが難しくなる可能性がむしろ高まっているのだ。 「HARD BREXIT」とは、移民のコントロールはEUではなく英国が行うというもので、それはEUの基本合意であるシェンゲン協定を無視することを意味するのである。それは、人、物、資本、サービスのEU圏内における自由なる移動を基本にしているEUにとって、英国のこの姿勢はEU規定に反することになる。その結果、EUが無関税で英国製品を受け入れる可能性はなくなると考えられている。  そうなると、英国日産にとって事態は深刻となる。EU市場で英国からの商品は関税などがかけられて価格面で競争力を失うからである。英国で生産される車の75%はEU市場への輸出である。(参照:「SOY MOTOR」)
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メイ首相が支援を決めた背景
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