資産160億円の最強トレーダーが日本株を語る

日本最強トレーダーのcis氏が日経平均株価のほぼ天井を言い当てたとして、その発言に注目が集まっている。資産も10億円ほど増やし、160億円から今年は170億円近くまでいくという。

日経平均株価の天井を予測してズバリ的中。今の相場観とは?

9月30日のcis氏のツイート

9月30日のcis氏のツイート

 6年ぶりの円安となり、株高に拍車がかかっていた9月30日、160億円トレーダーのcis氏が「ずっと持ってた先物買いを今日全部売ってさらに途転売り…とうとうこの日が来てしまった」とツイートした。当初は半信半疑の投資家が多かったが、10月2日から大暴落。株の話はめったにしないcis氏が珍しくツイートし、ズバリ天井を言い当てたのだ。某掲示板では、「しっさんスゲエ!」「マジで神だわ。まるでしっさんがすべてを操っているかのようだ」「しー!あい!えす! しー!あい!えす!」と異様な盛り上がり。なぜcis氏は天井を予測できたのか。今の相場観は? 編集部(以下、編):9月30日のツイートが話題になっています。 cis:天井の可能性はあると思っていましたが、僕自身、実は天井を確信して売ったわけではないんですよ。9月9~11日くらいからソフトバンクやトヨタが急角度で上がり始めたんです。先物も数日遅れで上がっていって、高値感がありつつも、「かなりいい感じ」と思いました。実は1万6290円で先物200枚を買い増しして、合計1200枚持っていたくらいなんです(笑)。 編:先物は29日の1万6320円が高値ですから、かなりの高値掴みですよね。 cis:買い増しをしたときは「日経が1万8000円いったら、億か億くらい儲かるな」と思っていましたね(笑)。 編:ところが売りに転じた。いつから売り目線になったのですか? cis:天井圏や底値圏では強く上がる銘柄もあれば急落する銘柄もあったりと、乱高下やチグハグな動きをすることが多いんです。ソフトバンク、トヨタ、野村HD、みずほFGを並べてみるとよくわかります。それまでのソフトバンクは安く始まってもザラ場で上昇して陽線をつけていたのに、アリババのNY市場上場翌日の9月22日はギャップダウンで始まり、その後も光速下げとなった。一方で、26日のトヨタは権利落ちした分を埋めるくらい強く上昇。野村やみずほは11~12日に直近の高値をつけて、すでに崩れ始めていた。このように、大型株でもチグハグな動きをしていたので、買い需要があるうちに個別株も先物もちょっと売っておこうかなと。 編:それで、すべてのポジションを手放したのが9月30日だと。 cis:そうですね。トヨタは6415円くらいで合計75万株ほど売りました。持っていた先物は1万6220円平均くらいで全部売って、1万6200円くらいでドテン売りをしたんです。ただ、本当に下がるか自信はなく、ちょっと下がってはまた戻ってきてブルってました(笑)。ちなみにトヨタは全部手放した翌日がかなり強かったので、「まさか、こんなに復活するのか~」「寝てたらあと1億あったのに」とちょっと凹んでいたんです……。トレーダー仲間からも、「売っちゃったの? また買い直せばいいじゃん」と茶化されたり。それくらいわからなかったということです。ただ、野村とみずほだけは総じて弱かった。 編:自信を持てたのはいつですか。 cis:10月2日の日経がギャップダウンして始まったので、先物で200枚を追加で売り、合計1000枚持っていました。この日、ギャップダウン大陰線となり、「しばらく短期下落トレンドになるんじゃないかな」「もう少し売りポジションを持っていようかな」と思いましたね。僕は基本は順張りだから下がっているときには一貫して売りポジションなんですが、月日の時点まで売りポジションを持ち続けたことは、なかなかよかったと思いますね。 編:今後も下落トレンドだと? cis:本当は週末の17日の後場、みんなが持ち越さないように投げたらポジションを解消(買い戻し)しようと思ったんですが、前場から弱かったので少し様子見をしてしまった。これは僕の慢心でしたね。上げ下げの予想が当たったのはたまたまで、いつも高い精度で当てることは不可能です。てっぺんで買ってしまうこともあるし、少し買い戻したり売り直したりもしている。うまくいったときに儲かるのは当然ですが、逆にいったときや逆にいきそうなときにどれだけ損失を最小化できるか。それも、大きく利益を取るためには重要だと思いますね。 ⇒【後編】に続く http://hbol.jp/11509 【cis氏】 160億円トレーダー。’00年に104万円で株を始める。「ジェイコム株大量誤発注事件」では10分で6億円を稼いだ。掲示板では「しっさん」の愛称で親しまれている