豊洲市場の開業延期で「都会の秘境駅」周辺は今……

 東京湾岸の景色を一通り眺めたのち、誰もいない改札を出る。その先にある2階のコンコースは、ゆりかもめの他駅と明らかに雰囲気が異なり、なんとなく違和感を覚えた。 ⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=114510  落ち着いて周囲を見渡すと、その原因が分かった。駅の利用客が我々以外に誰も居ないというだけではなく、乗降客の多いお台場周辺の駅と比較すると、掲示されている広告やポスターの数が明らかに少ないため駅構内全体が色彩に乏しいのだ。目につくのは交通標語や公共のポスターなどで、まるでかつての共産圏の駅かと言いたくなるような状況だ。  せっかくなので、駅を出て豊洲市場周辺を散策してみることにする。コンコースを出ると、駅から豊洲市場の各施設に繋がる陸橋が見え、その先にはほぼ完成した建物群が見渡せた。この陸橋と渡ると、地上に降りることなく市場の主要施設に入ることができる。もちろん、これらの連絡陸橋や市場各施設はバリアフリーにも対応している造りであるといい、鉄道駅からのアクセスは現在の築地市場と比較すると非常に便利なものとなるであろう(もちろん、新橋や銀座から20分ほど歩けば着くという築地市場の地の利とは比較にならないものではあるのだが)。 ⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=114512  豊洲市場は開場前のため、現在これらの陸橋は通行止めの状態だ。そのため、駅から出るには一旦地上へと降りる必要がある。  この市場前駅には、隣接して豊洲市場の目玉となる大型の複合商業施設「千客万来施設」(仮称)が建設される予定となっている。  しかし、ほぼ完成を迎えた市場本体に対し、複合商業施設部分は事業者の撤退・再公募などの紆余曲折を経て、工事はまだ進んでいない状態だという。それらの現状については、また後日報告することとしたい。 <取材・文・撮影/都市商業研究所> 都市商業研究所 若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken」 ※都商研ニュースでは、今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中 ・ジョイフル、台湾初出店-5年間で100店舗目指すバスタ新宿、ファミリーマートが出店へ-ようやく決まったコンビニ出店ABAB赤札堂、創業100周年-東天紅・小泉グループの中核企業
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