財政難のサウジアラビア。次期王位継承の有力候補サルマン皇太子の放蕩っぷりに国内でも非難の目

 このサルマン王子、王位継承権をもらってまだ2年も経過していないが、米国からの支援もあり、当初は王位継承権1番のムハマンド・ビン・ナイーフ皇太子と王位を競うライバルの中でももっともダイナミックな人物として注目されていた。  しかし、昨年6月にはサルマン皇太子が会議の席で幾分酔った感じで「国のお金は全て私のものだ」と言ったことなどが報じられている。また、サルマン国王に王位継承権を解任されたムクリン・ビン・アブドゥルアジーズ皇太子に、解任されたことに事を荒立てないようにサルマン皇太子が10億リアル(2700億円)を渡したことなども報じられており、悪評が高まりつつある。(参照:『Hispan TV』)

脱原油依存を標榜した王子自らの放蕩

 財政難にあるサウジアラビアは、原油に依存しない国家の発展としてサルマン皇太子は「ビジョン2030」を発表するなど、なんとか財政難を脱しようとしている。しかし、労働者の半分は移民に依存し、これまで原油に関係した産業しか存在しない国である。そして、必要なものはお金の力で外国から輸入するというシステムから国が形成されている。それを、この先15年余りで産業国家に変身させることはサウジの社会構造から判断して無理で、机上プランで終わりそうだ。  しかも、国家が財政難にある中で、その復興策を発表した張本人であり、将来国家指導者になろうとする者が衝動買いでおよそ5億5000万ユーロの豪華ヨットを即座に購入するということを平気でする。中東のライバルのイランはこれから益々強大になって来る。それを前に、サウジがそれに対抗できる力を備えるのは現状からだと期待できないとしか言いようがないだろう。 <文/白石和幸 photo viakremlin.ru(CC BY 4.0)> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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