「準備万端」な研修ほど能力開発には役立たないこれだけの理由
2016.10.19
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これでは、研修をやろうと思っても、準備がたいへんで、なかなか出来ないという事態となるのも無理はない。中には、アウトソースして研修の準備や当日の対応を行う企業も出てきているのが実態だ。
真面目な会社であればあるほど、研修部門が一生懸命準備を徹底する。しかし、実は、一生懸命になればなるほど、準備をすればするほど、研修効果は低下するのだ。このように書くと、違和感を覚える読者が多いに違いない。
しかし、そうなのだ。私の20年来の研修実施経験をふまえると、準備をすればするほど、研修効果は低下することは、間違いない。
ビジネスマンならば、社外にしろ社内にしろ、なんらかの研修に参加したことがあるだろう。
研修会場に入ると数人の受付担当者に出迎えられ、出欠をチェックされ、座席表を渡される。会場へ誘導する担当者もおり、誘導された席に着くと、印刷された名札が机上におかれ、研修資料が整然と並べられている。
研修が始まるや否や、「携帯はオフ」「PCは閉じろ」「内職禁止」と注意事項が羅列される。気配を感じて後ろを振り向くと、監督者席にはお偉いさんか人事や研修担当が目を光らせている……社内研修でよく見られる光景だ。
実は、研修ひとつ実施するにしても、研修部門の担当者の準備の苦労は並大抵のものではない。(表1)は、ある企業の研修運営マニュアルの抜粋だが、一部だけでも、これだけある。これに、主担当、副担当、確認者、決裁者が各々につくのだ。
一生懸命準備すればするほど研修効果は低下する
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